捻挫④ 応急処置

腫れや痛みがある時に、テーピングでスポーツの復帰は、要注意!!

捻挫をしたすぐ後の腫れや痛みがある時期に、テーピングをしてスポーツに復帰することはよくありません。テーピングをすることで、痛みを感じにくくすることはできます。しかし捻挫をしてすぐ後の腫れや痛みがある時期に、テーピングをしてスポーツに復帰すると、その後の日常生活やスポーツで動き方によって痛みがとれなくなります。更にその痛みが患部だけでなく、関連した関節や筋肉を悪くする悪循環の原因とになってしまいます。テーピングは決して万能では無いことも正しく知っておいてください。

後遺症に要注意!!

症状に応じた適切な固定をしない、又はテーピングやサポーターや包帯などで固定をしているにもかかわらず痛みがある、又は日常生活での動きにかばうことが多い治療の進め方などでは、断裂損傷した靱帯組織や靱帯本来の支持機能の回復が悪くなるだけでなく、後に関節の変性・変形などにもつながります。
また日常生活やスポーツで困る程度の症状がなくなった後も、ほんのちょっとした症状が治りきらずに、日常生活でなんとなく気になる症状が続き、それが原因で捻挫した患部以外(足・腰・首・肩・手)などにも代償運動(運動連鎖によるかばう使い方)による、痛み・動きづらさ・過度の疲労・違和感などが発生することにもなります。
捻挫の後遺症による症状で日常生活やスポーツに支障が起こらないように、初期に適切に治療することをお勧めします。

応急処置の変遷、RICEからPRICE、そしてPOLICEへ! 最新の対応は、”PEACE&LOVE!”

スポーツの現場では捻挫を初め外傷の応急処置の基本はRICEでしたが、RICEからPRICE、そしてPOLICEへと変遷してきました。RICEとはRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の略です。そしてRICE処置に、Protection(保護:損傷した組織を保護する)を加えて、PRICEと呼ばれる処置に変わってきました。
そして近年は、「患部を適切に保護して、適度に負荷をかけた方が回復が早くなる」という考えから、Optimal Loading(最適な負荷)を加えて、POLICEという概念に変わってきました。

【POLICE】とは
P:Protection(保護) :装具やシーネなどで損傷組織を保護する。
OL:Optimal Loading(最適な負荷):早期に適切な負荷をかけることで最適な組織修復を促す。
I:Ice(冷却):痛みを減少させること、また血管の収縮を促し患部の腫れや炎症を抑える。
C:Compression(圧迫):患部の内出血や腫れを防ぎ小さくする。
E:Elevation(挙上):患部を心臓より上に挙げて、患部の腫れやむくみを抑える。

このような初期の処置の良し悪しは、患部の腫れや炎症や回復状態などを大きく左右するために非常に重要です。

※そして最も新しい対処法として、急性期治療に加えてその後のケアについて従来の対応をより詳細にした内容も加わった、”PEACE and LOVE”という考え方が提案されています。

私が研修させていただいた整形外科では、上記のPOLICEや”PEACE and LOVE”の概念と同じような考え方を、「骨折の機能的装具療法」を通じて、30年以上前から行っていました。

当院で行っている捻挫の「機能的固定療法」は、整形外科で経験した「骨折の機能的装具療法」での治療経験を多く取り入れています。

 

宇佐整骨院 鍼灸院